皆さんは化粧品に含まれる「タルク」という成分を見聞きしたことはあるでしょうか。
タルクはフェイスパウダーやボディパウダー、ファンデーションなどのあらゆる化粧品によく配合されている成分です。タルクを配合しているコスメの数は10,000種類を超えるとも言われています。
そのような中で、最近ではタルクフリーの化粧品も増えていて、安全性を疑う声が出てきています。結果からお伝えすると、タルクには肌にとってのメリットがたくさんあるので安全な成分だといえます。
しかしなぜタルクの危険性が世の中で囁かれてしまったのか、そして具体的にはどのようなメリットや役割、効果があるのかなどを今回ご紹介していきます。
タルクは「滑石」をパウダー状にしたものです。滑石は水・珪素・酸素・マグネシウムが組み合わさった鉱石の一種で、正式には「含水ケイ酸マグネシウム」といいます。なめらかで吸着性が高く、ボディパウダーやファンデーション、日焼け止めなどの化粧品に配合することでさまざまな効果が得られるようになります。
タルクをボディパウダーなどの化粧品に配合すると、肌をスベスベな手触りに整えてくれます。また、化粧品の成分同士が混ざりやすくなる効果もあります。
タルクは吸着力が強く、肌に塗ると余分な汗や皮脂を吸い取るという枠割もあります。そのため、タルク配合のボディパウダーや制汗剤を肌に塗るとサラサラになるのです。
また、タルクにはイヤなニオイを吸着して消臭してくれる効果も期待できます。
タルクには自然な白さがあり、肌になじむと自然な明るさとなって透明感のある肌を演出できます。
また、つや消し効果もあるため、コスメの発色をコントロールするのにも使用されています。
皮膚の角層に含まれるウロキナーゼという成分は、肌荒れを引き起こす原因の1つです。タルクを肌に塗ると、このウロキナーゼを吸着し、活性化を抑えてくれる効果があります。要するに、肌荒れや炎症を防いでくれる効果が期待できるのです。
さまざまな効果が得られるタルクですが、安全性が気になるという方もいらっしゃるでしょう。ただ、総合的に評価すれば、タルクは「安全な成分」だといえます。ここではその理由を順に解説します。
今から30年以上前の1987年に、米医薬品大手会社を含めた数社の商品のベビーパウダーに含まれる「タルクに有害なアスベストが含まれていた」としてタルクが問題視されたことがあります。
この事件をきっかけに、現在国内で流通している商品に含まれるタルクに関しては、徹底された品質管理のもと国内の厳しい検査をクリアした商品が販売されているため、アスベスト混入の心配はかなり低いものといってよいでしょう。
タルクは「皮膚への刺激性」や「アレルギー性」についても大きな問題が起きておらず、肌への負担は低いといえます。目に入った場合の刺激性についても、大きな問題・副作用は報告されていません。
こうした理由から、刺激性が低く、基本的にはどのような肌質の方でも安心して使えると考えてよいでしょう。
タルクは肌への影響が少なく安全性も高い成分です。ただし、アトピーなどで肌への影響が気になる方もいるでしょう。心配な方は、テスターなどで試してから使うと安心ですね。
汗ばむ季節にタルク入りのボディパウダーを使えば、サラサラで快適な肌触りが続きます。タルクの特徴を知り、上手に活用してみましょう。